博士論文『故人に逢える窓 “Fenestra” —「デジタルの形見」で故人を偲ぶ、生活に馴染む供養儀礼 のデザイン—』
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博士論文『故人に逢える窓 “Fenestra” —「デジタルの形見」で故人を偲ぶ、生活に馴染む供養儀礼 のデザイン—』

Year

2014

Abstract

ビルの中に収められた室内墓、インターネット上のバーチャル墓地、小型でモダンな意匠を持つ仏壇、ディスプレイを搭載する「デジタル仏壇」、遺灰を遺族のもと で保管する「手元供養」。日本における死者供養の伝統が変革ないしは形骸化されようとしている。本研究は、このような状況に対してユビキタスコンピューティングに関する技術の活用を検討し、具体的なデザインの提案を行うものである。 デジタルメディアの利用が一般化した今日、誰かが亡くなるたびに、生前の故人を思い出させる写真や映像などの「デジタルの形見」が大量に残される。それらは 遺族にとって時に精神的な苦痛を与える存在である一方で、伝統的な死者供養の道 具である仏壇や仏具、故人の戒名を記した位牌や過去帳よりも直接的に故人を偲ばせる貴重な媒体として大切に保管される。本研究では、東京近郊に暮らす人々が今日行う法要や死者供養に関する民族誌調査と、世界中に偏在する死者への追悼や供 養の儀礼のためのデザイン調査をふまえ、デジタルの形見を活用して供養の儀礼や 故人を偲ぶ行為を支援する道具 “Fenestra” をデザインした。 円鏡、フォトフレーム、キャンドルホルダーから成る Fenestra は、「鏡をじっと見つめる」、「ロウソクに火を灯す」という 2 種類の動作に反応して、故人の面影(顔) や、故人が健在だった頃の家族の集合写真や日常を記録した写真を表示する。本論文では、数年以内に近親を亡くしている 3 人の方がそれぞれの生活空間の中で Fenestra を介して「故人に逢う」様子を報告するとともに、そこから生まれた新しい供養の 儀礼や故人を偲ぶ行為を具体的に描き出す。そして、先端技術を活用したデザイン が、これまで主に宗教が担っていた死者への追悼や供養の儀礼といった「人々の内 面に宿るスピリチュアリティ」を支援できることを証明する。

Citation Format

瓜生 大輔,『故人に逢える窓 "Fenestra" —「デジタルの形見」で故人を偲ぶ、生活に馴染む供養儀礼のデザイン—』, 2014年2月27日 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科承認

Category
Article
Tags
Fenestra, KMD, PhD Dissertation

研究指導コミッティ:

奥出 直人 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(主指導教員)

稲見 昌彦 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(副指導教員)

稲蔭 正彦 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(副指導教員)

砂原 秀樹 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(副指導教員)

 

論文審査委員:

稲蔭 正彦 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(主査)

稲見 昌彦 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(副査)

砂原 秀樹 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授(副査)

島薗 進 上智大学神学部 特任教授・グリーフケア研究所 所長(副査)